風待ち月

ゆらゆらと揺れる日々の気持ちを風に乗せて

雨音想う

雨の音が続くので


そのまま物想い




雨の降る中
水族館へ出かけて




海の底のような
一番水槽の下の階のベンチに座って




ふたり





海に底にいても
雨降りはなんとなくわかってしまう不思議








高校生の恋は
あまりにも純粋で





剥き出しのそれは
穢れや嘘
妥協も容赦も救いも一切




許す事など思いもつかなくて






傷つく事で傷つける事を求めて






小さな事を守るために
本当に大切なものを失っていった










通り過ぎていく日々を見送って


きれいになっていく





あれから






手紙を何度か受取り





いまは何をしているのか











雨はあの人につながる






どれだけ忘れていても