風待ち月

ゆらゆらと揺れる日々の気持ちを風に乗せて

交叉点

この道を真っ直ぐ行けば
懐かしいあの街に着く



そんな交差点で
遥かな先を想いながら


ハンドルを切って
家に戻る



そっか、
泣き出しそうな分厚い雲なのに
高架道に上がれば


遠くに切れ間の明るい景色があって




そこに
あなたが好きだった人の唄声が
ラジオから聴こえて





久し振りに
あの交差点を通ったのは偶然で
よく通る道なのに


あなたを想ったのは
空と雲と光と音が



あなたの事を



きっと


懐かしく思ったから









渋滞の曇り空の下





振り返る事のない
あの日を想う