雨音天聲
雨の音をゆっくり聞くことができる日
雨を感じるのではなく
雨音を聴いているのでもなく
すっと心が惹きつけられて
蓋をしていた想いの中へ堕ちていく
雨は嫌いだった
いつかの恋をするまでは
映画のワンシーンのように
誰もがきっと持っていてほしい思い出
いまは仲良し
山歩きの中の大雨や自転車通勤の雨でさえ
カッパを着る
レインコートではなく
春の雨
今年も桜はただ咲いて散っていく
自然のあるがまま
すべての咲く花と同じように
みんな当たり前に特別な毎日