風待ち月

ゆらゆらと揺れる日々の気持ちを風に乗せて

ざわつく

今日も雨が降って

ペンが進む

使わなくなった万年筆の  筆跡に残るインクの流れが好きだった

手書きの文字の強弱や気持ちがのったような走り書き

いと惜しい

遠い記憶

青色と脆さと痛みを描いた小説は

読み易さと

死の平等をお思い出させてくれた人だったので

勢いこんでいたのに退屈で

面白くないのに引っ掛かって

夜を延長させている

こうやって思い返す

毎日に一生懸命に冷たい自由の海を泳いでた

とりつくしまもなくて

傷つけて傷ついて  傷ついたふりをしては傷つけて

胸がざわつく

いまもまだ  飛びたいって想う

風待ちの港の話や二日月という銅版画

 

日常は目まぐるしく

その日常ゆえにしあわせの本質をみる

繰り返しのようにする奥様とのケンカはきっと

いつか想い出しては笑えるしあわせの1ページになる  いまはとても腹立たしくても

青い記憶は痛くて脆くて美しい

そしてきっと薄れて消えていく

色褪せても千切れても思い出せない事が増えても

あなたとのいまは

あなたたちとのいまは

きっといつでもそばにある